2016/12/5
慶應イノベーション・イニシアティブは、同社が運営するファンドより、慶應義塾大学医学部の研究成果を活用した再生医療ベンチャーのクリングルファーマに対して出資を行いました。
成熟肝細胞の増殖を促進する因子として発見された生理活性蛋白質で、その後の研究からHGFは各種上皮系組織や心血管系組織などに作用することが明らかとなりました。HGFは細胞の増殖や組織の再構築を促す活性に加え、細胞死を防ぐ活性や血管新生を促す活性を発揮することによって、外傷や疾病によって障害された組織の再生や保護を支えています。さらに脳神経系組織においても、神経保護作用や軸索伸展作用を示すことが解ってきました。脊髄損傷に対してHGFが治療効果を有することは、慶應義塾大学医学部生理学教室 岡野栄之教授及び整形外科教室 中村雅也教授らのグループによる脊髄圧挫損傷動物モデル(ラット及びマーモセット)において実証されました。これらの研究を端緒に、脊髄損傷の治療薬としてHGFに期待が高まっています。
大阪大学発創薬ベンチャーとして2001年12月に設立、HGFによる新規バイオ医薬品の開発・実用化を目指しています。現在、組換えヒトHGF蛋白質を 1) 脊髄損傷急性期(第Ⅰ/Ⅱ相試験実施中)、2) ALS(第Ⅱ相試験(医師主導治験)実施中)、3) 急性腎障害(第Ⅰa及び第Ⅰb相試験終了)、4) 声帯瘢痕(第Ⅰ/Ⅱ相試験(医師主導治験)実施中)の治療薬として開発を進めています。
慶應イノベーション・イニシアティブ(KII)は慶應義塾が設立したベンチャーキャピタルです。慶應義塾大学の研究成果を活用したベンチャー企業の投資育成を通じて、大学の研究成果の社会実装を推進し、新産業の創出によって社会の発展に貢献することをミッションとしています。
株式会社日本政策投資銀行(DBJ)の100%子会社であり、DBJグループのベンチャーキャピタル業務を担っています。事業分野や規模にとらわれることなく、新たな技術やビジネスモデルを駆使しグローバルな競争力を持って成長するベンチャー企業に対し、成長資金としてのエクイティ投資をするとともに、DBJをはじめとする様々なネットワークを活用したファイナンス面のサポートや、投資先企業のニーズに合ったDBJグループ全体のソリューションをアレンジしています。
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